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    ベンチ、それは気合
ベンチ、それは気合
- 5 :無記無記名 :2005/10/05(水) 14:39:35 ID:QVLbh0hz
 -  「あがるかな?」じゃないんだよ上げるんだよ!  
 どうもこのスレを呼んだ限り、まだまだ精神面を軽視してるやつらが多いみたいなので、俺がベンチ100kgを始めてあげたときの話をかいといてやる。  
 あれは大学2年のときだった。2年間ウェートトレーニングを積み重ねてやっと100kgを上げることに成功したのだ。  
 もともと虚弱な体格だった俺はトレーニングを始めたときには胸には筋肉は一切なく、胸板を触れば皮膚越しに胸骨を触ることができるほどであった。  
 しかし、厳しいトレーニングに耐え、自らの体を苛め抜いてここまでたどり着いたのである。  
  
 その日は朝から澄み通った青空が広がっていた。  
 俺は2日前のトレーニングを思い出しながらジムに向かっていた。  
 ベンチプレスで90kgを3回上げ、100kgに挑戦しあと少しというところでつぶれてしまったのだ。  
 一度失敗すると、同じ重量を扱うときにその失敗の恐怖心がよみがえるものだ。  
 そして、今日もまたベンチのトレーニングの日・・そしてまた100kgを挑戦する日である。  
 ジムに着き、早速ベンチをはじめ、そして100kg挑戦の時が来た。  
 俺は補助をしてくれているトレーニング仲間にキリをわたし、こう言った。  
  
  「もし上がりそうになければ、このキリで俺の尻を突いてくれ。」  
  
 そいつは何も言わず、キリを受け取ってうなずいた。  
 おれのトレーニングに対する決心の固さが悲壮な俺の顔からうかがえたのであろう。  
 ベンチの台に横たわりバーベルに手をかける。そして、持ち上げ胸まで下ろす・・・  
  
  ヌォォォォォー!!  
  
 俺の気合がジム中に響き渡る。しかし、あと一息ということろで上がりきれない。  
 その時だ、俺の尻に激痛が走った。仲間がキリが突き刺したのである。  
 俺の気合はさらに大きくなり、最高潮に達した。  
  
  ウォォォォォォォー!!!  
  
 100kgのバーベルが一気に上まで上がった。  
 俺は思った。俺に足らなかったのはこの感覚だ。潜在的な能力を全て引き出すほどの強烈な気合、これこそが俺にかけていたのだ。  
 おれは20分ほど休憩して、もう一度100kgに挑戦した。  
  
  キリの力を借りてあげてもそれは俺の実力とはいえない。  
  自分ひとりの力で上げてこそ自分の力といえるのだ。  
  俺はもし今度の一回で上げることができなければウェートトレーニングから一切足を洗う。  
    
 こう俺は心で自分に言い聞かせた。  
 そして、怒号のような気合とともに再び100kgを持ち上げたのである。  
 しかし、途中でまた上がりそうで上がらなくなる。  
 その時に、さっきのキリで突き刺したときの激痛を頭の中で再現した。  
 膠着状態から一気に上まで上げることに成功したのである。  
  
 俺が学んだこと、それは・・「ベンチとは気合である」  
  
   
 
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