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    ジャンピングスクワット-右がダメなら左で-
ジャンピングスクワット-右がダメなら左で-
- 8 :無記無記名 :2005/10/05(水) 17:20:58 ID:XW3WWUxZ
 -  馬鹿やろう!!貴様それでも格闘家か!  
 格闘家ってのは365日24時間がすべて試合なんだよ。  
 ひざに違和感が出ようがそれでも一度決めたことはやりとおす、それが格闘家ってものじゃないのか?  
 どうやら、俺の若き日のことを書く時期が来たようだな。  
  
 あれは5年前のことだった。  
 某フルコン空手の全日本選手であった俺は1ヵ月後の全日本大会に向け猛特訓をしていた。  
 ジャンピングスクワットを自重で毎日500回やっていた俺は、その日疲労の限界に達していた。  
 そん名ある日、道場で自主練習をしていたときのことだった。  
  
  俺「320!321!322!・・」  
  
 おれは疲労でふらふらしながらも着実にジャンピングスクワットをこなしていた。  
 そんな鬼気迫る俺の姿を見て、先輩が俺にこういった。  
  
  先輩「全日本大会を前にしてちょっとやりすぎじゃないのか?体を休めるのもトレーニングのうちだぞ。」  
  俺「そんなことじゃあ、全国から集まる一騎当千のつわもの達に勝てません。」  
  
 先輩の助言をよそにおれは猛特訓を繰り返す。その時だ、俺の右膝が鈍い音をさせて激痛が走ったのだ。  
 そして俺はそのまま気を失った。  
 気がつくと俺は病院のベットの上だった。  
  
  看護婦「気がつかれましたか。左ひざの靭帯を痛めてしまって気を失ってたのですよ。」  
  俺「そうですか、ご迷惑をかけました。時間がないので僕は道場に行きます。」  
  看護婦「駄目です。3ヶ月は安静にしないと靭帯が断裂してしまいますよ。」  
  俺「フッ、看護婦さん、格闘家ってのは毎日が試合中なんですよ。  
    たとえ足が折れようとも最後まであきらめない、それが格闘家ってものなんです。」  
      
 おれは道場に戻り再びスクワットを開始する。右ひざの激痛に耐えながら。  
 そして100回ほど過ぎたとき俺の膝は俺の意思とは関係なく力が出なくなったのだ。  
    
  「右足が動かなくてもまだ左足がある!!デヤァァー!!」  
  
 俺は左足だけでジャンピングスクワットを続けたのだ。  
 先輩は俺に向かっていった。  
  
  「どうやら俺が間違っていたようだ。お前の言うとおり、格闘家には折れない精神力が大切だ。  
   右ひざを痛めたからもう駄目だなんて思うような軟弱な精神ではもはや格闘家とはいえない。  
   格闘家は右手が使えなければ左手で戦う。両手が使えなければ足で戦う。両手両足が使えなければ、  
   噛み付いてでも勝利をあきらめない。それこそが格闘かだ。  
   俺は今日いい勉強をさせてもらったよ。」  
  
 おれは、このジャンピングスクワットのトレーニングを通じてほかの道場生に格闘家とは何なのかを伝えたかったのだ。  
  
   
 
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