新着順|カテゴリ別
    
    
    ラストサムライ-高速君との晩餐-
ラストサムライ-高速君との晩餐-
- 20 :無記無記名 :2005/10/06(木) 10:25:12 ID:xX8J5XqD
 -  >>344  
 この話にはまだ続きがある。  
 俺は命を救ってもらったお礼に高速君を食事に招待した。  
 そして、このゴールドジムスレに昔から常駐していた俺は、ここで疑問視されていることについて直接彼に聞いてみたのだ。  
 たとえば、なぜ高速君はいつもジム内で高速で移動するのか・・彼はこう答えた  
  
 「ぼくは高校時代陸上をやっていたんです。特に幅跳びや高飛びではちょっとした記録を残したんですよ。  
 国体にも何回か出ました。しかし、ある日、陸上部のキャプテンの指示で時間がなかったためにストレッチもせずにいつものように猛特訓を開始したのです。  
 そしたら、ブチン!という音とともにアキレス腱が切れたんですよ。  
 アキレス腱自体は手術で直ったんですけど、以前のような瞬発力は発揮できなくなり、  
 以前の切れ味のある鋭いジャンプを取り戻すために世界中のスポーツに関する書物を読み漁りました。  
 そこでたどり着いたのが高速歩行訓練なのです。」  
  
 そして彼は続けてこういった。  
  
 「わかってます、ジムのみんなはこんな僕を気持ち悪いと思っていることを。ジムの仲間には非常に申し訳なく思っています。」  
  
 この瞬間、俺の目からは熱いものが流れ落ちた。  
 かれは、陸上部のキャプテンを恨むような気持ちもなく、前向きに今の体のまま肉体改造を前向きに模索していたのだ。  
 俺たちがこうやって影で高速君のことをうすら笑っていたことも彼は全部知っていたのだ。  
 しかし、彼はそれを批判するつもりは毛頭なく、むしろ申し訳ないという念でいっぱいだったのである。  
 彼こそ日本最後の侍、真のスポーツマンであると確信した。  
  
   
 
新着順|カテゴリ別