新着順カテゴリ別 負けたらハラキリ・・・謎の掛け声と高速君

負けたらハラキリ・・・謎の掛け声と高速君

21 :無記無記名 :2005/10/06(木) 10:26:52 ID:xX8J5XqD
>>344
すまない、答えになってなかった。
カーフレイズの掛け声の件だがそれももちろん彼に聞いた。
それは、先ほどのアキレス腱断裂から数年たち大学時代のことだった。
大学でも陸上部に入った彼はある国際大会に出場することとなった。
しかしそこで待ち受けていたのは、いわれのない人種差別である。
この大会で最も実力のあると言われていたアメリカ選手団が日本の選手団の横を通り過ぎたときのことである。
「(英語で)へっ、見ろよ!イエローモンキーの糞ジャップどもだぜ!あんなもやし野郎が俺たちと勝負するつもりとは笑わせるぜ!」
日本人選手の血気盛んな一人がそれを聞いた瞬間、そのアメリカ選手に殴りかかる。
しかし、次の瞬間、高速君はその二人の間に入ってけんかを止めた。
そして、その日本人選手に怒鳴った。

「何を勘違いしてるんだ!俺たちは陸上選手だ!俺たちの武器はこぶしじゃない!鍛え抜かれたこの足だ!
正直、俺も悔しい・・しかし悔しいなら競技で、記録で打ち負かそうじゃないか!」

しかし、現実とは残酷である。質も量も勝るアメリカ選手の肉体はことごとく各競技で日本選手を破る。
気づけば残されたのは高速君ただ一人である。しかも、残されたアメリカ選手はその大会で最も優秀で
優秀とされる幅跳び選手ショーンレイ=ミッシェルである。
マスコミは彼のことを「次世代の神」「天性のバネを持つ男」などありとあらゆる賛美の形容をしていた。
まずショーンレイが跳ぶ・・会場に驚嘆の歓声が響き渡る。その成績は大会でもずば抜けたものであった。
そして高速君の番である。彼の心の中でこう自分に言い聞かせた。
 
「俺がここで敗北することは、俺個人の敗北ではすまない。日本選手団全体の、いや1億2千万の日本人全ての敗北だ。
俺はこの勝負に負けたらいさぎよく腹を切る。」

その瞬間彼の表情が百獣の王ライオンのような険しさと荒鷲のような鋭い目に豹変する。
彼の体が助走をはじめ、そして空中を舞う・・
記録は・・・ショーンレイを10cm上回った!
彼はそれ以来、その勝負での決心をトレーニングでの気合のために役立てるべく、その時の勝負相手ショーンレイの名を掛け声として使っているのだ。


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