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    腕立て戦国時代-大胸筋下克上-
腕立て戦国時代-大胸筋下克上-
- 22 :無記無記名 :2005/10/06(木) 10:54:28 ID:xX8J5XqD
 -  >>506  
 そんな弱腰根性だから駄目なんだよ。  
 一般人でも鍛えれば100回はできて当然。  
 俺は今はベンチプレス200kgを中心に鍛えてるから、どうやら俺の中学時代の話を語ったほうがよさそうだな。  
  
  
 それは中学3年のときの体力測定での出来事だった。  
 懸垂、50m走、腕立てなどさまざまな基礎体力を測定する年に一度のこの行事は中学1年のときから行われていたが、  
 この3年間でさまざまな猛者が頭角を現していた。  
 まずは俺、「1組の天才」の異名を誇っていた。しかし、腕立てに関しては群雄割拠状態で、  
 ほかにも「ラグビー部の重爆撃機」こと田中、「4組の虎」こと野上、「高速腕立て連射砲」こと斉藤などがいた。  
 測定の効率を考え、教師がカウントをしていき、それに合わせて全員が腕立てを一回ずつする。  
 力尽きた時点で、記録係に回数を申告し記録していくというやり方だ。  
  
  教師「イチ!」  
  
 全員がいっせいに腕立てをする。何人かはこの時点で一回もできずつぶれている。  
  
  「二!」「サン!」「シ!」  
  
 このあたりですでに1割ほどが脱落してしまった。さらに回数は進み20ほどになった時点で2/3ほどが脱落。  
 40回を数えたころに10人ほどになっていた。ここまでは無名であった柔道部の主将がまだ生き残っている。  
 さらに進み60回を数えたとき、上で挙げた俺を含めた腕立てで屈指のつわもの4人のみになっていた。  
  
  ふっ、やはりこの4人の勝負になったか・・しかし俺は天才、ここで負けるわけにはいかん  
  
 ふと横でやっている田中に目線をやった。さすがに重爆撃機の異名をとるだけあって力強い生き生きとした腕立てをこなしている。  
 その奥の高速腕立て速射砲の異名をもつ斉藤は軽量の体重とマラソンで培ったスタミナを生かした軽やかな腕立てをやっていた。  
 はじめにつぶれたのは重爆撃機であった。  
 おそらくこの4人の中で実際のパワーは俺とトップを争うほどあるだろうが、100kgをこえる巨体が足かせになったのであろう。  
 最も筋量が少ない速射砲の斉藤が軽々と腕立てをするのを横目に俺は地獄の苦しみを耐え抜いた。  
 しかし、その速射砲もついに間接の痛みがが極限に達し脱落した。それは280回のときのことであった。  
 勝負は俺と4組の虎こと野上の一騎打ちになった。  
 3年生全員の視線を浴びながらこの一騎打ちは続く。  
 二人の頭の下の地面には汗の水溜りができていた。その形相は鬼気迫るものがあった。  
 350回を数えたとき、虎の体力が限界に達した。  
  
  デヤァァァー!!  
  
 なんとしても負けまいと、虎の奇声がこだまする。一方俺は意識が朦朧としつつもゾンビのように腕立てを続ける。  
 そして、ついに虎は力尽きた。395回である。俺は張り詰めていた糸がぷつっと切れた。  
 惰性でそこから5回してきりのいい400回で崩れ落ちた。  
 つらい戦いであった。しかし、おれの鍛え抜かれた大胸筋はこの一騎当千のつわものたちを打ち破ったのである。   
 
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