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言葉の裏の激励の意味

52 :無記無記名 :2005/10/09(日) 12:39:53 ID:Al1ynSQK
馬鹿やろう!!その言葉を文字通り受け取ってどうするんだ!!
おまえには彼女のお前に対する切実な思いが理解できないのか!!
彼女はお前にさらに強くなってほしいから、怒らせてやる気を出させるためにそういったんだろ!!
どうやら俺も似たような経験をしたことがあるので書かねばならないようだな。


それは4年前、キックボクシングをやっていたころ、体重増量のためにウェイトのジムに通っていたときのことだった。
いつものようにジムでベンチプレスをしていたときのことだ。
その日も160kgをセットし、俺の気合とともにバーベルが上下する。

 デヤァァァァァー!!!

俺の胸と腕がパンプアップされていく。
血管が浮き出てその腕の太さは丸太のようで、周りの人を圧倒していた。

 俺「フフフ・・この程度の重さなら俺には余裕だな。
   キックボクサーでここまでのベンチをできるのは俺ぐらいだろうな、フハハハハハ!!」

そのときこのジムで看板娘の超美人でスタイル抜群のスタッフがつかつかと俺の近くに近寄ってきた。
そしてこう言い放ったのだ。

 美人スタッフ「見かけは凄いのに中味の無い筋肉なんですね」

俺は激昂して俺のキックボクシングでの輝ける戦績を話したのである。
だがその美人スタッフは何もいわずにつかつかと去っていったのである。

 俺「ガハハハ!!何も言い返さないで去りやがった!!」

そして俺は近くにあったサンドバックを殴り始めた。
左右ストレート、フック、ハイキック、膝蹴りどれを見ても間違いなく超一流できれもあり重さもある。
この俺の肉体が中身のない筋肉ではないことを心のどこかで周囲にアピールしたいという心理が働いたのだと思う。
そしてその翌日のことだ、俺がスクワットの合間に休んでいると、このジムで最も成績のいい、
ベンチプレスは250kgスクワットは300kgを越すこのジムの長老ともいうべき先輩が俺に近づいてきてこういいながら俺をぶっ飛ばしたのである。

 先輩「バカヤロー!!おまえは彼女の気持ちがわからないのか!!」

俺の体は宙を舞い壁にたたきつけられた。
そして続けてこう言ったよ。

 先輩「彼女は昨日あのあと陰で一人でないていたよ。
    彼女はお前のことが好きだったんだ。しかし社員の規則で客とスタッフの恋愛が禁止されている。
    だからせめて、現状に満足してさらに高い位置を目指そうとする意欲にかけるお前に
    もっと上を目指してもらおうと思って、わざとあんなことを言ったんだ。
    そう、彼女が家の都合でこのジムのスタッフをやめる日である昨日にな・・・」

俺はその場で膝から崩れ落ち、力なくしゃがみこんでいた。

 そうか・・そうだったのか・・冷静に考えると、確かに俺が今体重を増やそうとしているのも
 今の階級では戦績が頭打ちになり、この階級から逃げ出したいという気持ちからなのかもしれない。
 最近のウェートトレーニングをみても、現状の成績に満足してしまって以前のような
 ハングリー精神がなくなっている・・・彼女は俺にそれを気づかせたかったのか・・・

しかし、ジムを去った彼女とは会うことも連絡を取ることもできなかったのだ。
「見かけは凄いのに中味の無い筋肉なんですね」 そのことばの裏には彼女の俺に対する、
もっとがんばれという激励の意味が込められていたのである。
トレーニングに一番必要なのは向上しようという飽くなき心なのである。
それを彼女は気づかせたかったのである。



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