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腹違いの兄弟(妹)

63 :無記無記名 :2005/10/12(水) 17:04:54 ID:xoOll945
713 名前:無記無記名 投稿日:2005/06/30(木) 04:03:22 ID:yExRd+YB
実は腹違いの兄弟なんだ 迄読んだ

724 名前:無記無記名 投稿日:2005/06/30(木) 14:16:11 ID:hwdamgsk
つづき
 
 実は腹違いの兄弟なんだ 

サトミはこの文字を見て目を疑った。
しかしその手紙にははっきりと、ヒロシとサトミは腹違いの兄弟であると書かれている。
ヒロシが渡米して5年が過ぎた時、サトミの母は病気でこの世を去った。
そしてその時にサトミの母が書き残した手紙に書かれていたのである。
「私とヒロシさんが兄弟なんて・・・」サトミは動揺を隠し切れなかった。

一方、渡米したヒロシはある体育大学のスポーツ学科に籍を置き、日夜スポーツに関する栄養学をはじめとするさまざまな知識を叩き込んでいた。
それだけでなく、自らトレーニングで体を鍛え上げ、ブラジリアン柔術の選手にもなっていた。
ブラジリアン柔術、それは総合格闘技の代表とも言うべき、なんでもありの最も凄惨な格闘技である。
ヒロシは全米のあらゆる格闘技の試合に出場しことごとく優勝を勝ち取っていたのである。
その結果、アメリカではグラップラーヒロシとして誰からも知られる存在にまで成長していたのである。
しかし、強さを追い求める日々はいつしかヒロシを本物の格闘マシーンにしてしまった。
ヒロシは現状に飽き足らず、いつしか真の強さを求め、地下格闘技に手を染めてしまった。
そこでは、対戦相手が死ぬまで戦いが続き、レフリーも無し、噛み付きや目突きなど何でもありという正に野獣同士の戦いである。
しかし、そこでもヒロシは連戦連勝を重ね地下格闘技の王者となる。

そんな中、実の兄弟だと知ったサトミが渡米しヒロシを探す。
そして、やっと探し当てたのが地下格闘技で試合中のヒロシである。
目の前でヒロシがムエタイ戦士と戦っているのだ。会場は異様な熱気に包まれる。

 「ヒロシさん、そんなバカなことは止めて!」

サトミがそう叫んだとき、ムエタイ戦士と向き合いにらみ合っていたヒロシの視線が一瞬、観客席にいるサトミに向かう。
その時だった。ムエタイ戦士の強烈なハイキックがヒロシのあごをとらえた。
膝からヒロシの体が崩れ落ちる。
倒れたヒロシに猛烈な攻撃が息をつくまもなく連続で行われる。
ゴングが鳴り、試合が終わった。サトミはすぐさま血まみれで倒れているヒロシに駆け寄る。

 「しっかりして!ヒロシさん!」

ヒロシは最後の力を振り絞ってこういった

 「フッ、これでいいんだ。俺のような奴にはお似合いの死に様だ・・・」

といって静かに目を閉じ息を引き取った・・サトミが実の妹と知ることもなしに・・

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