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大和魂がある限り

68 :無記無記名 :2005/10/12(水) 18:56:25 ID:xoOll945
何がウィリーは強かっただ!!
貴様らそれでも日本男児か!!
鍛え抜かれた大和魂さえあればどんな外人であろうと物の数ではない!!
どうやらここまでいうからには俺の素性をやや明かさなければならないようだな・・


そう、あれは極真第一回世界大会開催の前の本部道場でのことだった。
大山館長は出場者を集めその前でこう言った。

 もし今度の大会で日本が王座を取れないことがあれば日本人選手はみんな腹を切れ!

当時、世界大会の予備の選手として控えていた俺はその言葉がずしりと心にのしかかった。
そして世界大会で例のウィリーの反則負け。
俺は納得がいかなかった。

 もし彼が反則をしていなければウィリーが王者だったかもしれない。
 やつを破ってこそ日本が王座を取ったことになる。

そう思った俺は試合が終わった後、非公式に俺は単身ウィリーに試合、いや死合を申し込んだ。
それは大会会場近くの空き地で行われた。
ウィリーのミドルキックから死合は開始された。
軽くステップで蹴りをはずすと、俺は必殺のコンビネーションで強烈なハイキックを顔面にクリーンヒットさせた。

 フ・・・所詮は熊殺しもこの程度のものか・・

俺は勝ちを確信した。
このハイキックが入って立っていられる人間はこの世にはいない、そう確信していたからだ。
しかし奴は口から血を流しながら立ってきた。

 ば・・馬鹿な・・・こいつは化け物か・・・

そう思った瞬間、やつは猛烈な正拳の連打を放ってきた。
そしてそこから膝連打を叩き込んできたのだ。
反撃する隙もなく俺はひたすら耐えた。
しかしとうとう耐え切れなくなり気が薄れてきたのだ。
薄れ行く意識の中、俺は館長の言葉を思い出した。

 『もし負けることがあれば、腹を切れ』
 そうだ・・俺には大和魂がある。ここで負けることは俺一人の敗北ではない。
 日本全体の敗北だ。負けるわけにはいかない。

おれは大振りになった膝蹴りを何とかさばき、その瞬間例の必殺のコンビネーションが無意識にウィリーの即頭部を襲ったのだ。
そのハイキックには俺の全身全霊がこもっていた。
即頭部に雷のような轟音とともにヒットしたハイキックとともにウィリーはついに倒れた。
ついに俺は、いや日本は熊殺しをも制覇したのだ。

俺は確信した。
折れない心、大和魂がある限り、いかなる強豪外国人も日本を破ることはできないのだ。
そして日本が王座を失ったときこそ、この日本から真の侍が滅亡したときなのである。

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