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かわいい筋肉には旅をさせろ

97 :無記無記名 :2005/10/27(木) 13:18:52 ID:/XuqRqh+
>>778
馬鹿やろう!!
てめーみたいな学校で習った教科書どおりのトレーニングじゃ、いずれ頭打ちになるんだよ!!
時には教科書から外れた変則的なトレーニングもしないと真のバルクアップされた肉体なんて手に入らないんじゃ!!
しかし、恥ずかしいことに実は俺も昔はお前と同じ教科書どおりのトレーニーだった。
どうやら俺の言いたいことをそのまま書くより、過去の俺の経験について語ったほうが早そうだな・・


それは、俺が体操選手を引退して、就職しジムに入会して1年ほどが過ぎたころだった。
体操をやっていたこともあり上半身の肉体の完成度には自身があり、トレーニングの知識も豊富であった。
ある日、おれはジムに行きデッドリフトを終え、チンニングをやっていた。
肩甲骨の周りに付いた分厚く幅のある後背筋がチンニングをするたびに躍動感あふれる動きをする。

 デヤァァァー!!

スタミナが切れつつある中、気合でチンニングを繰り返すその姿はジムのほかの人々を気迫で圧倒していた。

 俺「ふう・・今日はこの辺にしておくか・・115回か、まあまあだな・・」

トレーニングを終え一息ついていると俺の後にチンニングを誰かがやっているのが目に付いた。
しかし、フォームは逆手でしかも手の幅は肩幅よりも狭く右と左の手の間が10cmほどしか開いていない。

 俺「ぶはははは!君は素人かね?チンニングって言うのは順手で、もっと手の間隔をあけてやらないと駄目なんだよ。」

しかし、もくもくとその男はそのままチンニングを続けている。
俺はほっといてシャワーを浴び更衣室で着替えをした。
そのときのことだ、俺の目に巨大な後背筋をした男の背中が目に飛び込んできた。
巨大なだけではなく、複雑に入り組んだ後背筋群のそれぞれが複雑に絡み合っていてゴツゴツとしている。
俺は思わずその男に尋ねた。

 俺「君、君はどんなトレーニングをしているんだね?
   そこまで作り上げるためにどんなトレーニングをどれぐらいの頻度で行ったか詳しく聞かせてくれないか?」

するとその男が振り向いた。
なんとその男はさっきの変則チンニング野郎だったのである。

 変則背筋男「俺のトレーニングはチンニングに始まりチンニングに終わる。
     だが、その方法は君のように教科書どおりのチンニングだけではない。
     たとえるなら君の背筋が血統書付きの毛並みのいい背筋だとしたら、
     俺の背筋は、あらゆる試練の乗り切ってきた野生の背筋。
     俺のチンニングは手の幅が肩幅より広いワイドスタンス、肩幅程度のミドルスタンス、
     そして、手の甲の間が10cmほどのナロースタンスの3種類に分かれる。
     その三種類を順手、逆手の両方でやるので6種類のチンニングをこなしているのだ。」

彼はそう答えた。
それだけの説明だが俺は彼の言わんとしている事がすべて把握できた。

     かわいい子には旅をさせろという、それと同じでかわいい筋肉には旅をさせなければならないのだ。
     さまざまな変化に富んだ刺激を与えることによって、確かにその筋肉は苦しむかもしれない、
     しかし、幾多の試練を乗り切った筋肉は教科書どおりのトレーニングで作られた筋肉とは
     一回りもふたまわりも大きく、力強いものになる。
     
筋肉がかわいいのなら、箱入り筋肉にしてはいけない、もっと冒険をさせろと彼は俺に言いたかったのだ。

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