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少しずつ少しずつ作り上げていくもの

146 :無記無記名 :2005/11/09(水) 16:08:44 ID:aYSzRR61
どいつもこいつもトレーニングトレーニングトレーニ(ry。
馬鹿の一つ覚えみたいに言いやがって。
どうやらお前らに、初めて入会したジムで出会った
素敵な先輩との話をしてやる必要があるようだな…

当時まだジムに入会したばかりだった俺は、
組んだメニューをただこなすだけの毎日だった。
そのうち古参の人達と挨拶を交わし、話をするようになった。
その古参の人の中に、素晴らしい肉体をもつ一人の先輩がいた。
まさに憧れだった。あの人のような大胸筋が欲しかった。
あの人の上げるバーベルの重さに、早く到達したかった。
でも結果はなかなか現れなかった。メニューを組み直したりしてみた。
先輩の飲むプロテインを、海外から取り寄せたりもした。
それでも全然ダメだった。思い悩んだ俺は、ある時先輩に相談した。
「どうやったら先輩のような肉体になれるのですか」と。
先輩はこう言った。
『今日トレーニングして、明日には結果が出るわけじゃない。
 理想の肉体は、トレーニングを繰り返す事によって、
 少しずつ少しずつ作り上げていくものだ。
 それに肉体だけじゃダメだ。心を強くしなければ。』
と。
『自分の理想とする肉体を築き上げるのは、並大抵の事ではない。
 筋肉が悲鳴を上げるまでイジメぬき、自分の限界までのトレーニング。
 食べたい食事を我慢し、栄養バランスを常に頭におきながら摂る食事。
 きつい、食べたい、“逃げ”や“甘え”をうち負かすだけの強い心。
 理想の肉体を常に置き、それに近づく努力を惜しまない心。
 肉体を作り上げる上で世間から向けられる、冷めた視線に耐える心。
 そんな強い心を、身体と一緒に鍛えなければならないんだ。』
実際はもっとストレートな言い方をしていたかもしれない。
でも、俺にはそう聞こえた。最後に『がんばれ』と言って、
背中を叩きながら『ガハハ』と笑った声と背中の感触をまだ覚えている。

次の日から、俺は先輩のマネをやめた。
理想の肉体は、俺の心の中でまだトレーニングを続けている。

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