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特攻、スクワットラック

157 :無記無記名 :2005/11/09(水) 22:30:08 ID:8wQpucQ6
馬鹿やろう!!
てめーらマッチョの集結するベンチプレスの台に特攻のひとつもできなくてどうする!!
フリーウェイトはベンチだけじゃないんだぞ!!
ベンチの台に突入する程度の精神力もなければ、150kg以上のデフォルトのスクワットラックなんて一生使えないぞ!!
どうやらここまで書いたからには俺の過去の経験を語ったほうが早そうだな・・


それは俺が20歳の時、ウェイトトレーニングを始めるため名古屋の瑞穂競技場のトレーニング室に行き始めたころのことだった。
ここは公営であるにもかかわらず一流ジムと遜色ないフリーウェイトの設備を完備していた。
そこには一流選手が集い、低料金でありながら一流環境が整っていたのだ。
そのスクワット台は常に150kgほどがセットされてあり、ほとんど連続でかわるがわるエリートマッチョが使っていたのだ。
中でもそのスクワットラックと一手に取り仕切っているボスのパワーリフターは圧巻であった。
180kgのバーベルを挙げる時のその気迫はジム内に充満し殺気にも似た闘気を放っていた。

 ヌォォォォォォォォー!!

40過ぎほどの年齢に見受けられたが皆がその迫力あるスクワットに圧倒されていた。
その足はたとえるなら像の足のように太く、腕は丸太のようであった。
胴体などは筋肉で力士のように大きく感じられた。
俺はスクワットをやりたかったが、今まで一度もやったこともなかったので、スクワットラックの周囲5mにすら近づけず、ずっと見ているだけだったのだ。
そのパワーリフターは俺のほうに近づいてくると、こう言った

 パワーリフター「おい坊主、スクワットってのはなあ、見てるだけじゃ何の効果もないんだぞ。」

 俺「でも俺、スクワットやったことないし、力ないし・・」

その時だ、その男の目は鋭く豹変し丸太のような腕から繰り出されるストレートパンチが俺のあごをとらえ俺は吹っ飛んだ。

 パワーリフター「馬鹿やろう!!そうやって悩んでるうちにも砂時計から砂が落ちるように
         時間ってのはどんどん過ぎ去ってるんだぞ!!
         俺たちアスリートがどれだけ努力しても手に入らないのが時間だ、
         その貴重な時間をお前はそんなくだらない理由で浪費しているのか!!
         今という瞬間は残された人生で一番若い貴重な一瞬じゃねーのか!!」
          
俺はそのパンチで目が覚めた、そうだ、くよくよ悩んでる今も時間は過ぎ去っている。
もし今日も怖気ずいてスクワットをせずに帰ればそれは一日を浪費するに等しいのだ。
そして、そのパワーリフターは若き日の自分のことを語りだした。

 若いころは今の俺と同じようにフリーウェイトのコーナーにちかづけず、
 結局、初めてスクワットをやったのは29歳のころだったとのことだ。
 ウェートをはじめてからというもの、めきめきと記録が伸びたものの、
 あまりにもデビューが遅すぎた。
 20歳ぐらいからウェイトトレーニングに興味は持ってはいたものの自分の中で
 言い訳を作り遠ざけていたのが原因だったのだ。
 血尿を出るほどトレーニングをしながらも必死にがんばったがその遅れを取り戻すことはできなかった。
 満足のいく体が完成された時にはすでに40歳になっていたのだという。
 だからその失敗を俺には繰り返してほしくなかったのだ。

その日からマッチョの巣窟であるスクワットラックに果敢に突入し、スクワットを行う俺がいた。
俺はいつの日か必ずこのパワーリフターの果たせなかった夢を果たして見せると心に硬く決意していたのである。

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