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真の煽り − 心と心のやり取り

192 :無記無記名 :2005/11/11(金) 23:06:00 ID:wlPwSEDK
馬鹿やろう!!
「荒削りさが無い」とか「読ませる力が無い」とか偉そうに!!
てめーらみたいに他人の書いたもんにどーたらこーたら後講釈で
品評する奴らは真のどうやら節愛好家じゃねえ!!
まあ、かくいう俺も昔はお前らと同じただの評論化気取りだった。
ここまでいうからには、どうやら俺の過去について語る必要があるようだな・・・

それは、俺が2ちゃんねるの板と言う板を荒らして回っていた時のことだった。
俺の文章力は只者ではない。豊富なボキャブラリーに、当を得た言い回し。
時には炎のごとくスレを圧倒し、時には巧妙な当てこすりと皮肉のきいた捨て台詞を残す。

 デヤァァァー!!

思いのたけをキーボードにたたきつけ、一人深夜のモニターに向かって
ほくそ笑む俺は、他のスレ住人からは鬼神のごとく見えただろう。

 俺「へへっ・・・きょうはこのへんにしておいてやるか・・・煽り外の無い奴ばかりだ」

俺の怒涛のかき子にすっかり沈黙したスレを見ながら、俺は一息ついた。そのとき!

 無記無記名「それで煽り勝ったつもりか。ふん、レベルが低いな」

レベルがひくいだと?この俺にまともにあおり返せる奴がこのスレにまだいたとは!
俺は久しぶりの好敵手の出現に、全身の血が暑く煮えたぎるのを感じた。

 俺「チミはこの板は初心者かね?それとも釣りか?どっちでもいいが、
   俺をあおるのは半年ロムってからにしたまえ」
 無記無記名「半年どころか3年ロムってますが何か?
   これが生まれて初めての書き子ですが何か?」

俺はどのパターンでこいつをあおり倒そうか、モニターを見ながら自問自答した。
正面切って罵倒の嵐で一気にノックアウトか、それとも2ちゃん用語の連発で
小ばかにしてやろうか、裏をかいて下手に出てほめごろしか・・・
俺の鍛え抜かれた頭脳の回転と、豊富なボキャブラリーをもってすれば、こんな雑魚などなんと言うことは無い。
おっと、あまりレスに間を空けてはいかんな、言い返せないと思われるぞ。

 俺「チミねえ、痛いところを疲れたからって、後で釣だとか言って逃げんなよ。
   最近は半端な釣り氏が多いからねえ」

痛烈な一撃!俺は書き込みボタンをクリックすると、画面がリロードされるのを余裕綽々に見守っていた。
だが、画面が切り替わった瞬間、俺は自分の目を疑った。

 無記無記名「確かに君の煽りは鋭い。切れ味は絶品だし、テクニックも豊富だ。だが・・・・」
 俺「だが、何だというんだ!下手な言い逃れしやがって!!」

 無記無記名「君の言葉には、人の心にずしりと響く重さが無い。単に舌の先から滑り出てくる空虚なレトリックに過ぎない。
  その場限りの薄っぺらな怒りをまきちらしているだけだ」

何もレスを返せない俺の心を見透かしてか、奴は続けざまにレスした。

 無記無記名「真の煽り。それは心と心のやり取りなのだ。例え一行レスでも
  そこに魂がこめられていれば、いかなる氷の心をも貫くもの。
  煽られた人間が、心からの怒りとともに思わず
  ヌォォォー!! 
  と叫ぶような厳しさとやさしさが、君のあおりには無いのだ」

俺は、PCの電源を落とし、暗くなったモニターを見つめながら己を恥じた。2ちゃんねらーにとって、言葉は単なる遊びの道具ではないのだ。
それは鍛え抜かれた肉体に匹敵し、時には相手を圧倒する恐ろしい武器となり、時には人の心を温かく癒す暖炉の炎にもなる。
血を吐きながら書き込む1行のレスは、200キロのバーベルよりも重いのだ。
そう確信する俺の目は涙でかすんでいた・・・。

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