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    妹のために − シャドー君の苦悩
妹のために − シャドー君の苦悩
- 240 :無記無記名 :2005/11/15(火) 00:36:33 ID:GiaNV4V/
 -  これはどうだろ? 
  
 228 名前:無記無記名[] 投稿日:2005/09/07(水) 00:24:54 ID:PoDdHw4P 
 お前ら何勝手なことばっかり言ってるんだ!! 
 確かにシャドー君というのはいろんなジムに稀にいる。 
 そしてノースにもいるのは事実だ。 
 しかし、ノースのシャドー君のことをみんなちゃんと理解できて批判してるのか? 
 俺はシャドー君と何度か話したことがあるからそのことを少し書かねばならないようだな。 
  
  
 実は彼は某フルコン空手の超有名選手なんだ。 
 おそらく、このスレを見ている人の中にもフルコンの経験者は何人かいることであろう。 
 そして超有名と銘打ったわりには見たこともない顔だと思う。 
 それもそのはず、彼はつい先月あったばかりの全日本大会で突如現れ、初出場、初優勝した期待の新人なんだ。 
 そのため、まだ他流派には顔も知られていないというわけだ。 
 しかし、彼もたいした努力もせずに優勝したわけではない。 
 俺もお前たちと同じように、かつてフリーウェイトの場所でシャドーをするシャドー君を見て、胸倉をつかみこう怒鳴ったよ。 
  
  「貴様!神聖なフリーウェイトの場所を何だと思ってやがる!! 
  その目立ちたがり屋の曲がった根性を俺の鉄拳で叩きなおしてやる!!」 
  
 俺はシャドー君に殴りかかった。 
 俺もシャドー君ほどとはいかないまでも、打撃系格闘技の経験がある。 
 だが、あたらないのである。 
 俺の豪腕から繰り出される相次ぐコンビネーションやフェイントを数十発すべてかわすのだ。 
 さすがの俺も息が切れてきてパンチのスピードが落ちだす。 
  
  俺「き・・きさま・・  ハァハァ 人の迷惑も考えやがれ!!」 
  
 不意に吐いたその言葉を聴いた瞬間、彼の動きが止まった。 
 俺の豪拳がシャドー君にヒットする。 
 スタミナが切れかけてたとはいえ、並の人間なら当たれば数メートル吹っ飛ぶ勢いだったが彼は倒れなかった。 
 俺はこの瞬間、こいつがただ者でないことを確信した。 
  
  俺「何でよけなかったんだ?お前ほどのテクニックがあったら今のパンチは簡単によけれただろう」 
  
  シャドー君「今のパンチだけなら、簡単によけれたよ。しかしその前に放った『人の迷惑も考えやがれ』という言葉のパンチは 
         がその前に俺にクリーンヒットしてたのさ。 
         確かに迷惑がかかってることは俺も痛いほどよくわかっている。 
         しかし、俺には時間がないんだ。」 
  
  俺「時間?どういうことだ?」 
  
  シャドー君「俺には余命が後1年しかない病気の妹がいる。 
         妹は俺が空手の世界王者になることを夢見ているんだ。 
         そんな妹のために、来年行われる全世界大会で優勝しなければならない。 
         そのためには無駄な時間は1秒たりともないんだ。 
         跳梁跋扈する外国人選手をなぎ倒すためにはパワーが必要であり、 
         そのためにウェートが必要だ。しかし、シャドーのトレーニングも欠かせない。 
         こんな俺にインターバルの休憩などする時間はないんだ。」 
  
 そう、彼は病気の妹のために自分のトレーニングによる苦痛や苦しさなどかえりみずに 
 1秒も無駄にせずトレーニングをしなければならなかったのだ。 
 俺はその言葉を聞いたとき、自分自身が恥ずかしくなった。 
 彼こそが真の武道家である。 
 そして、フリーウェートの場所でシャドーをしていたことをその理由も知らずに叱責し殴りかかった俺はなんて小さい男なんだと思った。  
 
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