新着順|カテゴリ別
    
    
    どこまでも高い同じこの空、オープンカー乗りの心
どこまでも高い同じこの空、オープンカー乗りの心
- 242 :クルマ板にもあった :2005/11/15(火) 00:54:36 ID:GiaNV4V/
 -  オープンカーについて語る part28 
 http://hobby7.2ch.net/test/read.cgi/car/1129033104/475-477 
  
 馬鹿やろう!! 
 ウェイト板から飛ばされてきてみれば、なんだこの流れは! 
 てめーら、このすれは車種やグレードを問わず、オープンカーの魅力を知るもの同士が 
 その素晴らしさを語り合うのが趣旨だぞ! 
 現状は特定の車種やメーカー叩き、オーナーの人格を否定する罵りあいになってるじゃないか! 
 お前らはクルマはオープンの癖に何でそんなに心が狭いんだ! 
 えらそうにいう俺だが、昔はお前らと同じで心が狭かった。 
 どうやら、説教するよりも俺の過去の経験を話した方がよさそうだな・・・ 
  
 それは俺が就職した手の貧乏サラリーマンだったころのことだ。 
 月収はわずか十数万円。家賃や食費を引くとわずかしか残らない。 
 それでも子供のころからオープンカーにあこがれていた俺は、就職した記念に、 
 国道沿いの寂れた中古車やに雨ざらしにされていた、初代ユーの巣ロードスターを手に入れたのだ。 
 ブリティッシュグリーンのボディは傷だらけでつやなど無く、ホロは色あせてガムテープで補修、 
 リアスクリーンなど真っ白で後ろは何も見えなかった。 
 それでも初めてのオープンカーがうれしくて、休みのたびにあちこち遠出したものだ。 
  
 そんなある日、とあるところでオープンカー海苔の集まる集いがあると聞かされた。 
 憧れの高級車やめったに見られない名車が集まると聞いた俺は、 
 期待に胸を膨らませて、愛車ロードスターではるばる出かけていった・・・。 
  
 しかし、いざ会場についた俺は、所狭しと並ぶ高級車や名車、旧車にすっかりびびってしまい、 
 自分のおんぼろロードスターがとてつもなく恥ずかしく、場違いに感じたのだ。 
 そのとき、たて目のベンツSLのオーナーらしき中年のおっさんが、俺に話しかけてきた。 
  
  男「おい君。そのロードスターは君のクルマかね」 
  俺「ハイ、いえ、ちが、違います。これは俺の連れのクルマで・・・」 
  男「じゃあ君は何に乗ってるの?」 
  俺「はあ、あの、えーっと、ぼぼ、ぼくすたーです」 
  男「そうか、いい車に乗ってるね。よければみんなと一緒にお茶でも飲まないか」 
  
  
  
 476 名前:名無しさん@そうだドライブへ行こう[sage] 投稿日:2005/11/15(火) 00:24:44 ID:Z/SVcb5F0 
 そういう男に頭を下げると、俺は逃げるように愛車ロードスターとともにその場を去った。 
  
  「ちくしょう。こんなとこに来るんじゃなかった。金持ちのおっさんどもに俺の気持ちが分かってたまるか!」 
  
 ギュギュギュギューーン!!! 
  
 頭に血が上ったままワインディん具をハイペースで攻める俺。 
 いつの間にか限界を超えたタイヤが悲鳴を上げ続けているのも気にしなかった。 
   
 - 243 :無記無記名 :2005/11/15(火) 00:55:18 ID:GiaNV4V/
 -  そしてついにコントロールを失った俺のクルマはガードレールに特攻。 
 挙句の果てに左側の前後輪を路肩の側溝に落として身動きが取れなくなってしまった。 
 そのとき、途方にくれて愛車のそばに佇む俺の耳に、空冷ポルシェ独特のフラットシックスサウンドが飛び込んできた。 
  
 ドゥルドゥルドゥルドゥオオーーン・・・ 
  
 見ると、さっき話しかけてきたおっさんが愛車の993株リオで近づいてくるところだった。 
  
  男「君!大丈夫かね?友達のクルマなんだろ?」 
  俺「いえ、本とは俺のクルマなんです。みんなすごいオープンカーなのに、かっこ悪くて・・・」 
  
 その時だ、その男の目は鋭く豹変し丸太のような腕から繰り出されるストレートパンチが俺のあごをとらえ俺は吹っ飛んだ。 
  
  男「馬鹿やろう!!自分の愛車をかっこ悪いとは何だ!それでもオープンカー糊か!! 
    外車であろうが国産であろうが、新車であろうがぼろであろうが、同じオープンカーだ!! 
    どこまでも高い同じこの空を共有してることに変わりは無い! 
    俺たちオープンカー海苔は、心もオープンなはずだろ?変なこだわりは捨てるのだ!」 
  
  
  
 477 名前:名無しさん@そうだドライブへ行こう[sage] 投稿日:2005/11/15(火) 00:25:04 ID:Z/SVcb5F0 
 そういうと男は、上着を脱ぎ捨てて見事なまでにバルクアップされた肉体をさらけ出した。 
 40過ぎほどの年齢に見受けられたが、その足はたとえるなら像の足のように太く、腕は丸太のようであった。 
 胴体などは筋肉で力士のように大きく感じられた。 
  
 ヌォォォォォォォォー!! 
  
 男はすさまじい咆哮を上げると、気合もろとも俺のロードスターを持ち上げ、側溝から救出したのだ。 
  
 その瞬間、俺は悟った。オープンカーにも、オープンカー海苔にも汽船は無い。 
 どんなオープンカーにもそれぞれの個性と魅了句があり、それは何者にも変えがたいものだ。 
 それに優劣をつけるのは、偏狭な人間のねたみや劣等感でしかない・・・。 
 俺はそのことを教えてくれたマイロードスターを改めて心から愛するようになったのだ。 
  
   
 
新着順|カテゴリ別