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    愛妻に先立たれた男
愛妻に先立たれた男
- 341 :無記無記名 :2005/11/27(日) 22:03:39 ID:LZkCFqht
 -  筋トレなんでも相談スレッドより 
  
 297 :無記無記名 :2005/11/27(日) 21:53:12 ID:8z/e9GpD 
 >>295  
 馬鹿やろう!!  
 風邪をひいたら休養が大事だとか軟弱なことばかり言いやがって!  
 しかし、俺もある体験をするまではお前たちと同じ考え方だった。  
 ここまで話したからには、どうやらそのときのことを話さなくてはならないようだな・・  
  
 それは俺が長い学究生活でゆる見切った体を立て直すためにジムに入会したばかりのことだった。  
  
 デヤァァァァー!!  
  
 疲れを知らない俺が踏むクロストレーナーのアーム部分がリズム良く前後する。  
 俺は有酸素運動特有の気持ちよさに身をゆだねていたが、ふと背筋に寒気を感じた。  
  
 俺「あ、風邪引いちゃったかな。帰ったら薬を飲んで寝よう。明日はジムを休むか。ハハ・・」  
  
 何気なくつぶやいたその瞬間、俺の右でクロストレーナーを踏んでいた熊のような大男が、  
 丸太のような腕でいきなり俺の後頭部を殴りつけた。  
  
 俺は、もんどりうってマシンコーナーとAスタジオを仕切るガラスの壁に頭をぶつけて意識を失いかけた。  
 クロストレーナーから降り立って俺の方に一歩だけ踏み出して、男はこう言った。  
  
 男「馬鹿やろう!!風邪を引いたら休養だと!?男なら肉体で風邪をはね返せ!  
   大体、トレーニングというのは筋肉をつけるだけでなく、心を鍛えるためのものでもあるんだぞ!」  
  
 そして、男はロッカールームへと去っていった。  
  
 介抱してくれたジム仲間によると、その男は昔、愛妻に先立たれたという。  
 そして、妻の葬儀の日の深夜、フリーウェイトコーナーで亡くした愛妻の名前を叫びながら  
 ベンチプレスで150kgのバーベルを上下させる男を、トレーナーはもちろんのこと、  
 常連の仲間たちも止める言葉を知らなかったという。  
  
 その日以来、一日も事務通いを休むことなく、男は今の見事にバルクアップされた肉体を作りあげたのだという。  
  
 俺は、引きかけの風邪くらいで休養などと言ってしまった自分を恥じた。  
 それ以来、一日たりとも休むことなく俺はトレーニングを続けている。肉体の鍛錬を通じて心を鍛えるために。  
 そして、男のように心から愛せる妻を持てる男となるために・・  
   
 
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