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世間の冷たい風、雑草の生命力

405 :無記無記名 :2005/12/01(木) 19:33:18 ID:8k6RGSAm
馬鹿やろう!!
甘ったれてるんじゃねー!!
世間の声というのはお前が考えているような甘い世界じゃないんだよ!!
俺のいわんとしてることは理論整然と話せるようなことではないから、どうやら俺の過去の経験を話さなければならないようだな・・・


それは俺が大学2年のころ、ジムに入会してちょうど1年が過ぎ、扱う重量も徐々に高重量になり始めていたころのことだった。
身長は180cm体重は90kgほどであった。
その日もおれは寒風吹きすさぶ中、ジムに向かっていた。
ジムに着くとおれは200kgをセットしバーベルをしっかりと握り締める。
その瞬間、俺の目はトラのように鋭い目に豹変した。

 デヤァァァァァァァァァー!!

俺のスモウデッドが20kgプレートのずらりと並んだバーベルを持ち上げる。
今にも握力が耐え切れず落としそうな重量感に耐えつつ回数がどんどん進んでいく。
8レプス終わったところで俺は一息ついていた。
ふと見ると、身長190cm体重130kgほどの巨漢が80kgのバーベルでデッドリフトをやっている。

 俺「ガハハハハ!!俺の体重の1.5倍ほどあるのにショボくね?!」

その男は何もいわず黙々とトレーニングを終えその場を去った。
俺はそこそこ満足いく体を作ることができたので、おれはジムを辞めバイトに専念した。
暴飲暴食をする毎日でいつしか俺の体は180cm120kgにまで脂肪が付いてしまったので。
おれは、再びジムに通い始めたのである。
だが、なまりきった俺の体はデッドリフト100kgを上げるのも息絶え絶えという惨状だった。
 
 デヤァァァァァァァー!!

気合だけが空しくジム内をこだまする。
そのとき背後からガリ高校生がひそひそと話す。

 「俺なら140kgは引けるぜ!体の割りにしょぼすぎ、プププ」

おれは以前の栄光の日々を思い出して、涙があふれ出た。
そのときだ、横で240kgのデッドをやっていた巨漢から唸りを上げて俺の顔面めがけて拳が飛んできた。
拳は俺の顎を的確に捉え、俺は吹っ飛び壁にたたきつけられた。
朦朧としながらも、その男のほうを見ると、そこには190cm110kgほどの筋肉の塊のような男の姿があった。
男は続けてこう言った。

 「世間の声ってのはなあ、お前の体を映し出す鏡なんだよ!!
  男っていうのはなあ、その世間の冷たい風にさらされながらも、それに耐え黙って体を鍛え続けるものだ。
  今は地べたを這いずり回ってるのかもしれない、だがそれでも目は高いところを見つめ、常に飢えた狼のような目で栄光を掴み取ろうと努力するものなんだよ。
  男というのは時にはプライドを投げ捨てて雑草のようにたくましく生き抜く生命力が必要なんだ。」

よくみるとその男の顔は見覚えがある、そう、以前に俺が馬鹿にしたあの巨漢男であった。
俺は愕然とした。
この男はあれからもずっと世間の冷たい酷評に耐えこの体を作り上げたのだ。
ふと窓からジムの外を見ると、そこには寒風吹きすさぶ中、たくましくしっかりと地面に根を生やす雑草の姿が目に飛び込んできた。
俺は思った、俺はこの雑草のようにいかなる劣悪な環境に取り囲まれようとも、その逆境に耐え、再びこの肉体をバルクアップしてみせると。

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