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    信頼は時に超えられない壁すらも打破する
信頼は時に超えられない壁すらも打破する
- 719 :スレが落ちる前に貼っとくぞデヤアアアァァァーーー!:2006/07/05(水) 18:34:46 ID:mdEmp0B8
 -  ★★筋トレなんでも質問スレッド★★110reps  
 649 :つよし ◆BvcplLXSGo :2006/07/03(月) 14:53:53 ID:Ert/8teW 
 >>625  
 ばかやろう!!  
 何で人を信用してやれないんだ!!  
 本人がベテランといえばベテランなんだよ!!  
 どうやらくどくどと説明する良りも俺の過去の経験について話したほうが早そうだな・・  
  
 それは俺が高校に入り柔道部に入り1年が過ぎたころのことだった。  
 春になり、進入部員が多数入って後輩が沢山できたころのことだった。  
 その年の後輩は屈強揃いで、もともと体格のいい素質のある男や、体こそまだ出来上がってはいないが、燃えるような闘志を持った男など  
 さまざまな素質を持った後輩が揃っていた。  
 そんな中で、一人、根性もなく、体格もしょぼい後輩がいた。  
 ある日、俺はトレーニング室でウェイトトレーニングをしていた。  
 120kgにセットされたバーベルが178cm90kgの俺の腕にがっしりと支えられて上下する。  
  
  デヤアアアァァァァァァーーー!!!!!  
  
 俺のベンチプレスから生み出される圧倒的な闘志と気合が部屋内に満ち溢れ、他の人間を圧倒する。  
 時にその後輩が、ウェートのやり方を尋ねて来たのである。  
  
  俺「がはははは!!根性なしのうえ、そんなしょぼい体格じゃ、ウェートなんてやってっも無駄!!  
    道場と部室の掃除でもしてろや!!」  
  
 そんな時である、そばにいた部長の丸太のような腕から繰り出される豪腕パンチが俺の顎を捉え、俺の体は宙を舞った。  
  
  部長「バカなことを言うな!!こいつも俺が預かる大切な柔道部員だ!!」  
  俺「でもこいつは無理ですよ・・体格も悪いし、根性もないし・」  
  
 俺は、ふに落ちない顔をしながらトレーニング室をあとにした。  
 その後、俺は交通事故にあい、2ヶ月ほど休部することとなる。  
 そして怪我が治り久々に柔道部に復帰できる日が来たのである。  
 道場でで稽古をしていると、次々と相手を投げ飛ばす屈強の男の姿が目に飛び込んでくる。  
 道着の上からでもバルクアップされた体が見て取れる。  
 その鍛え抜かれた巨体から繰り出されるわざの一つ一つに切れがあり洗練されている。  
 部長が俺に近づいてきて俺に言った。  
    
  部長「久しぶりだな、つよし、あの男を見てみろ。」  
  つよし「だれですか、あれは?」  
  
 次の瞬間、俺の心に強い衝撃がはしった。  
    
  部長「あれは4月に進入部員が入ってきたときにお前が『こいつは無理だ』と言い放ったあの後輩だ。あのあと俺が指導して育てた。」  
  俺「ば・・ばかな・・・あの根性なしが・・・」  
  部長「お前には人を信頼してやれる心がない。信頼されれば、人は皆、その信頼に応えようとするんじゃないか?」  
  
 そんな時、俺はある昔話を思い出した。  
 それは、第一次世界大戦で日本がドイツを攻撃したときに確保したドイツ軍捕虜を収容した板東俘虜収容所での話である。  
 所長を務める会津人の松江豊寿は捕虜に「武士の情け」といって陸軍上層部に反発し、人権を尊重し、寛大な処置をした。  
 所内では捕虜達は、パンを焼く事も、新聞を印刷する事も、楽器を演奏する事も、さらにはビールを飲む事さえ許された。  
 そして、休戦条約調印、大ドイツ帝国は崩壊する。自由を宣告された捕虜達は、松江豊寿や所員、そして地域住民に感謝を込めて、ベートーベン作曲『交響曲第九番 歓喜の歌』を演奏する事に挑戦することになる。  
 このときの演奏が、日本で初の第九の演奏となり、その演奏は信頼に対する感謝と共に周囲をこだまするのであった。  
 俺は悟った、信頼は時にはその人間の超えられない壁すらも打破する強力な力になりえるのだと。  
 
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