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ロードレーサー乗りの心、思いやりと共存

804 :1/2:2006/10/07(土) 12:08:24 ID:k3Ivq58X
550 :ツール・ド・名無しさん :2006/09/09(土) 11:27:58
馬鹿やろう!さっきから黙って聞いていれば243とか三面待ちとかドラとか好き勝手言いやがって・・・
お前らは本当にそんなんで自転車糊だと言えるのか!?
自転車板に来てそんなことしか書き込まないようじゃ、お前らは2流、いや3流以下だ!!
ここしばらく、この板を留守にしていたら、わけのわからんことばかり言う奴がはびこってるようだな。
どうやらここまで大口をたたくからには俺の過去の経験を語らなければ収拾がつかないだろうな・・ ・

あれは5年程前のことだ。柔道の全日本選手であった俺はまだ見ぬ境地に踏み込むため、トレーニングにロードバイクを導入した。
福岡遠征のおり、地元では名高い油山ヒルクライムコースで坂トレーニングをすることにした。
入念にストレッチを済ませ、精神を集中していると、ロード糊の集団がやってくるのが見えた。
そいつらは、「こんにちはー」と俺ににこやかに挨拶し、楽しそうに、だがのんびりと坂を登ってゆく。

「ブハハハハ!なんだあの馴れ合い集団は!!よし、俺が格の違いを見せてやる!」
俺はおもむろに愛車のTCRにまたがると、猛烈に追走を開始した。
ほどなく、坂の勾配も上がり、ヘアピンカーブが目の前に迫ってきた。さっきの集団は、ギアを一番軽いのにセットし、ゆっくりと上っている。しかもコンパクトクランクだ。
「フッ、並みの自転車糊ならばここでくじけることだろうな・・・だが俺は違う!見よ!!」

デヤァァァァァーーーーーー!!!

俺の柔道で鍛えた大腿四頭筋が唸りを上げ、猛然とペダルを踏みつける。


805 :2/2(連投規制orz):2006/10/07(土) 12:13:47 ID:k3Ivq58X
551 :ツール・ド・名無しさん :2006/09/09(土) 11:30:58
ヌオォォォォォォォォーーーーーーーーーーー!!!
90rpmを越え、フレームがギシギシと軋み始めるが、俺のアタックは止まらなかった。
馴れ合い集団をはるか後方に置き去りにし、山頂でバイクを止めた。

「ガハハハハ!どうやらこの峠も征服したな!」
そのとき、急勾配の上り坂を物ともせず時速50キロはあろうかという猛スピードで
突進してきた男が俺の目の前で急停止し、ジャックナイフ状態から俺に強烈な頭突きをかましてきた。
不意を突かれた俺は顔面に頭突きを受け、10メートルほど吹っ飛ばされ、「熊出没注意」の看板にブチ当たって崩れ落ちた。
その男は言った。
「馬鹿野郎!自転車糊に必要なのは、強靭な肉体だけではないんだよ!周囲のローディーと共存する姿勢こそが大切なんだ」

朦朧とする意識の中、いつしかおじいちゃんの言葉を思い出していた。
「つよし、『己の欲せざるところ人に施すことなかれ』じゃよ」

俺は自分の浅はかな行動を恥じた。挨拶もせず、傍若無人な振る舞いで集団をブチ抜く新参者。
地元の人間がいい気がするはずがない。

俺に足りなかったのは脚力ではない。他者を思いやり、共存しようとする姿勢だったのである。



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